川崎市は来年の市制100周年に向けて、さまざまなイベントを市内各地で開催しています。
11月17日(金)と18日(土)は「Colors, Future! Summit 2023」の一環として、合計19ものカンファレンスが「川崎市役所本庁舎」「昭和音楽大学北校舎」「SUPERNOVA KAWASAKI」にて開催されました。
私は両日とも参加しましたので、今回は17日(金)のカンファレンスの様子を紹介します!
この日に参加したカンファレンスはこちらです。(クリックでアーカイブ映像に遷移します。)
皆さんの川崎愛があふれ、これからの川崎が楽しみになるカンファレンスでしたのでぜひご覧ください!
川崎愛があふれるオープニングセッション
まずは川崎市役所本庁舎で行われたオープニングセッション「これまでの100年、これからの100年。好きがあふれる川崎へ!」に参加しました。
新しくなったばかりの市庁舎はとても綺麗で、カンファレンス前から気持ちが高まります!
カンファレンス開始前の会場はすでに参加者でいっぱいです。皆さんの関心の強さが伝わります。
まずはサッカー解説者で川崎フロンターレにも所属していた中西哲生さんと、CFS2023ジェネラル・プロデューサーの三浦宗丈さんが登場しました。
続いて福田市長、GVE CEOの房広治さん、タレントのハシヤスメ・アツコさんが登場し、それぞれ自己紹介を行います。
このオープニングセッションでは、川崎市のこれまでの100年と、これからの100年についてトークが行われました。
福田市長は「川崎市が誕生したときは人口が4万8千人でしたが、今は154万人もの人が住んでいます」と成長に改めて驚きを示し「いろんな方が移り住んできてくださって、川崎は『元祖・ダイバーシティのまち』なんです」と、多様性に富んでいることを表現されました。
「今回のロゴは光の三原色でできているんです。掛け合わせると無限に色が作れます。一人ひとりの色をしっかり持っていて、それを掛け合わせていくことが川崎らしいと思っています」という言葉に川崎の素晴らしさが詰まっていると感じました。
そしてトークはそれぞれの「川崎の好きなところ」へと進んでいきます。
皆さんが考えている間に中西さんが好きなところを発表します。中西さんはフロンターレの本拠地がある「等々力」をあげていました。
「27年前に川崎フロンターレが誕生し、その時に僕は移籍してきました。当時の知名度はゼロ。そこから誰もが知っているチームになって『27年後はこうなっているよ』とその時の自分に言いたいですね」と喜びを伝えてくれます。
これからも発展を続ける等々力に期待が高まります!
ハシヤスメさんはBiSH時代にライブを何度も行った「クラブチッタ」をあげました。「まちだけでなく、スタッフの方も音楽が好きだと伝わってきて、その方たちに支えられてライブができたのはいい思い出です」と、当時の想いを語ってくれました。
三浦さんは「ニュートラル」という言葉をあげました。他のまちから川崎へ引っ越してきた三浦さんは、どこでも行けるというアクセスのニュートラルさ、適度な距離感で尊重し合いながら人と関われるニュートラルさを感じられたそうです。
これに対して福田市長は「確かにフロンターレのサポーターは、他のチームへ移籍した元フロンターレの選手にも拍手を送るんです。川崎を離れた人にも『これからもよろしくね』と接することができるのは素晴らしさが現れていますね」と反応されていました。
房さんは「ハイテク、玉川」をあげました。房さんにとって玉川は巨人軍のグラウンドなどスポーツのイメージがあり、無名だったフロンターレがサッカー界を代表するようなチームになったストーリーなども加わって、スポーツ界で名を馳せる地になると考えているようです!
また、羽田とのアクセスがよくなったことからハイテクやイノベーションのハブとなる可能性も秘めていると仰られていました。
最後に福田市長は「人柄がウェット、生田緑地」とあげました。
川崎の人はウェット過ぎない適度な距離感であることと、昔から生田緑地のプラネタリウムに通っていたほど好きな場所とのことでした。等々力も含めて緑豊かな土地が川崎にはいっぱいあります!
そして話題はこれからの川崎のことに移ります。
「脱炭素を実現しながら、まちの持続的な発展をしていく」ことが川崎の目標であり、オーストラリアからの大量の水素の受け入れ地が川崎に決まったとも福田市長は仰られており、川崎が日本の脱炭素をリードしていくことにワクワクが止まりません!
オープニングセッションは皆さまの川崎愛にあふれた内容となっていて、ずっと話に引き込まれていました。
これからの川崎は脱炭素やSDGs、自動運転バスなど楽しみな取組がたくさんあります。これからも常に情報を追っていきたい、参加したいと感じさせてくれるカンファレンスでした!
川崎はスポーツ好きにはたまらない!
次に参加したのは「まちとスポーツの未来」です。
こちらはベイン・アンド・カンパニー日本法人会長の奥野慎太郎さんがモデレーターとなり、川崎渉さん(ブレイブサンダース社長)、野田謙一さん(NECレッドロケッツ ディレクター)、吉田明宏さん(株式会社川崎フロンターレ 代表取締役)、常盤真也さん(富士通株式会社 企業スポーツ推進室 室長)の5名が登壇されました。
改めて川崎にはバスケット、バレーボール、サッカーなど、多くのスポーツチームがあると感じました。それぞれのチームの想いを一度に聞けるのはとても貴重な機会です!
まずは「企業とスポーツの関係」についてトークが行われました。企業スポーツは日本特有の文化だそうで、海外では話が通じないと聞いて驚きました。
ブレイブサンダースはDeNAグループに属しています。DeNAは横浜ベイスターズも運営しており、ミッションとして「スポーツの力で人とまちを笑顔にする」ことを掲げているそうです。
「スポーツをビジネスとして成立させないといけない。親会社がしっかり運営できないと、何かあった時に選手やファンの方々を悲しませてしまうことになってしまうという考えのもと、DeNAグループは運営を進めている」と川崎さんが仰られました。
「スポーツができるまちへの貢献」では、野田さんによると「バレー教室や地域の清掃活動に参加していくなかで、ハブ役になりたい」との気持ちを述べられました。
確かに地域活動にスポーツ選手が来ると参加したくなりますし、選手と接すると応援するきっかけにもなりますよね!
選手の方も積極的に地域活動に参加したいという気持ちがあるそうで、とても素敵なチームだなと感じました!
川崎フロンターレの吉田さんは、フロンタウン構想について話してくださいました。
フロンタウン構想とは川崎の7つの区にフロンターレとの接点を作っていくことで、サッカークラブだけでなく地域の人が元気・健康になれるようなインフラになりたいという考えがあるそうです。
川崎の人にとってなくてはならないチームになりたいとの気持ちを聞いて感動しました!
フロンターレはマンチェスターのように「サッカーといえば!」のような地域にすることを目指していて、フロンタウンがどのように発展していくのかが楽しみです!
最後は川崎の可能性と今後について、それぞれの考えを共有されました。
富士通の常盤さんは「チームごとにお客様の取り合いを行うのではなく、掛け合わせてお互いにお互いのファン作りをしていきたいです。川崎ならそれができると思っています」と力強い言葉を述べられました。
どのチームも川崎市からは十分すぎるくらいのサポートを受けていると仰られており、今後も「スポーツのまち川崎」としての発展に目が離せません!
川崎に本拠地を置くチームの方々の意見を一度に聞けるという、非常に貴重な時間を過ごすことができました!
ゲームをプレイして川崎のサステナビリティを推進!?
川崎市役所本庁舎で2つのカンファレンスに参加した後は、川崎駅西口にあるSUPERNOVA KAWASAKIへ移動しました。
こちらには作成中だったウォールアートが完成しており、思わず見惚れてしまいました。作成中の様子も紹介されているので、ぜひご覧になってみてください!
SUPERNOVA KAWASAKIで参加したカンファレンスは「まちのサステナビリティを共創型で推進する」というテーマです。
このカンファレンスはモデレーターを松本国一さん(富士通株式会社 エバンジェリスト)が務め、鈴木浩治さん(ヤマト運輸株式会社 川崎主管支店 主管支店長)、伊藤真人さん(株式会社セガ エックスディー 取締役 執行役員)、井田淳(川崎市環境局脱炭素戦略推進室長)、池田圭佑さん(富士通株式会社 クロスインダストリービジネス推進室 シニアマネージャー)の5名が登壇されました。
ばらばらに見える会社の方々が、どのように共創型でサステナビリティを推進するのかイメージがつかなかったのですが、富士通とセガで共同開発した「グリーンカーボンファーム」というまちづくりゲームアプリで推進すると伝えられました。
このゲームは、まちでエコアクションを行うことでゲームが進んでいくという仕組みです。
このゲームは池田さんと伊藤さんの間で環境問題をゲームで解決したいという「共感」から生まれたそうです。池田さんは「共感」こそが物事を進めていくうえで鍵になると考えていました。
宅配ロッカーやリサイクルボックスなどの場所にチェックインするとアイテムがもらえたり、レベルが上がったりしていきます。
ヤマト運輸では2050年の温室効果ガス実質排出量をゼロにすることを目指しており、そのためには再配達を減らす宅配ロッカーのPUDOの活用をあげていたので、まさに共創型で環境問題の解決につながるゲームだと感じました!
ゲーム内には川崎市の新庁舎も登場するようなので、川崎のまちがそのままゲームになっています!
川崎市の井田さんも「このゲームをプラットフォームとし、多くの事業者様が参加して川崎のまちが発展することを期待しています」と課題解決について話されました。
ゲームは私たちにとって身近なものですし、楽しみながら環境問題の解決に貢献できるのは素晴らしい仕組みですね!
多くの方がこのゲームをきっかけに、当たり前のようにエコアクションを行う文化が広がっていけば素晴らしいと感じました。
音楽でつながる地域コミュニティの輪
引き続きSUPERNOVA KAWASAKIで「音楽による世代間を超えたコミュニティ作り」というテーマのカンファレンスに参加しました。
この回はモデレーターを須之部為師さん(株式会社ホリプロ 川崎プロジェクトルーム副部長)が務め、松本典子さん(駒澤大学経済学部教授)、JUDY AND MARYのドラマーとして活躍された五十嵐公太さん、山岸利英さん(株式会社第一興商 エルダー事業部 リーダー)の4名が登壇されました。
コミュニティとは改めて何だろうという話から始まり、ここでは「地域コミュニティ=近所づきあい」と決めて話を進めていくことに。
そこで、なぜ音楽が地域コミュニティの形成につながるのかについて、トークが展開されました。
五十嵐さんは「コミュニケーションやコミュニティ作りのきっかけは何でもいいと思います。たまたま自分はそれが音楽だったんです」と、音楽によって人が集まる場を作ってきた話をしてくれます。
「音楽の練習は一人でもできるがバンドをしていると発表の場があったり、発表に向けて合同練習があってみんなで話し合う場ができる」と自身の経験を交えて話されました。
松本さんもさまざまな場づくりをされています。大学では研究で人が集まる場ができていて、まちのYouTube発信やバル運営など音楽に限らず幅広い分野で活動をされてきた経験を話してくれました。
カラオケのDAMを提供している第一興商の山岸さんは「カラオケは老若男女誰でも知っていて、きっかけを作るには最適なんです。知って使ってもらうためのハードルがありません。地域には必ず音楽好きの方がいます」と仰られました。
その言葉を聞いて「確かに音楽好きの人はどのコミュニティにもいたな」とふと思いました。
山岸さんは男性だけを集めてボイトレをしたり、昭和歌謡ブームによって世代を超えたつながりを生む企画をしたりされているそうです。
音楽はとても素敵なきっかけ作りになるなと感じますね!
五十嵐さんは今でも音楽を通じた場づくりを考えられているそうです。「音楽を聞いたり歌ったりするのは身近だが、発表するのは身近ではありません。『音楽のまち川崎』を活性化するため、溝の口駅に誰でも参加できるステージ作りを川崎市の方と進めています」と、非日常を感じられる経験を皆んなにしてほしいという強い想いを述べていました。
プロやアマチュア関係なくステージに立てるのは魅力的ですし、素敵な場が生まれそうですね!
思わず須之部さんは「とてもいい企画ですけど、溝の口だけはズルくないですか?」とツッコミを入れ、それに対して五十嵐さんは「川崎市の7区すべてに作りたいと思いますし、東扇島に土地があるそうなので、そこで川崎発信のフェスをやりたいなという野望があります!」と夢が膨らむ話をしてくれました。
音楽はとても身近なもので、人と関わるきっかけになりますよね。音楽の力が秘める可能性を存分に感じられたカンファレンスでした!
川崎市は市制100周年に向けて大盛り上がり
本日のカンファレンスは川崎愛あふれるオープニングセッションに始まり、スポーツと川崎、ゲームで環境問題を解決、音楽でひろがるコミュニティというように川崎市の多様性を表すような内容でした。
ワクワクするような企画について沢山の話を聞くことができ、これからどのように川崎市が盛り上がっていくのかが楽しみです!
川崎市では来年の市制100周年に向けて数多くのイベントが開催されています。ぜひ皆さまもイベントカレンダーをチェックして、もっと川崎市を知って関わって、好きになってください!