インタビュー#1 川崎市長 福田紀彦
福田市長 インタビュー
川崎市が新たに開設した官民連携の総合窓口「Kawasaki Future Co-Lab」。その立ち上げ背景や、川崎市が見据える官民共創のこれからについて、川崎市の福田市長にお話を伺いました。

(以下、福田市長)
この10年で人口が約6%増加し、現在155万人に達する川崎市は、平均年齢も若く、非常にエネルギッシュに成長を続けている都市です。その一方で、今後は他都市を上回るスピードで高齢化の進行が見込まれており、これからの川崎市は課題先進都市になっていくと捉えています。
こうした社会課題を解決していくため、今回、新たに官民連携の総合窓口「Kawasaki Future Co-Lab」を開設しました。この窓口を通じて、民間企業や団体の皆さまと共に、多様な社会課題の解決と新しい価値の創出を目指してまいります。
川崎市が持つポテンシャルと土地のDNA
川崎市は政令指定都市の中で最も市域面積が小さいですが、人口密度は大阪市に次いで高く、都市機能がコンパクトに凝縮された都市です。新しい取り組みを行う際、一定の規模がなければ社会を変革するほどの大きなインパクトには繋がりません。逆に言えば、この人口集積を有する川崎市で都市課題を解決できれば、他の都市や世界にも良い影響を与えられるはずです。川崎市には、そうした挑戦できるフィールドとしての大きなポテンシャルがあります。
また、川崎には歴史的に培われた土地のDNAが息づいています。東海道の川崎宿として、400年前から多くの人々や物が行き交う恵まれた立地にありました。現在でも、転勤などで川崎を離れた企業の方が、赴任先で川崎会を作ってくださるような、温かくウェットな人間関係を育む文化があります。
「来る人は拒まず、去っていく時も『これからもよろしくね』と送り出す」といった宿場町ならではの気質、そして、現在も様々な国の方々が暮らしているという多様性、これらこそが、川崎市のブランドメッセージ「Colors, Future!いろいろって、未来。」が示す通り、多様性こそ可能性であり、150万人150万通りの色が重なり合うことで、無限の可能性を秘めていると確信しています。
社会実装を見据えた覚悟
これまでも民間企業や団体の皆さまと様々な連携事業を行ってまいりました。しかし、社会課題を解決していくプロセスにおいて、どうしても行政特有の作法にとらわれ、民間企業や団体の皆さまからのご提案を、役所的な枠組みで受け身に捉えてしまうという構図になりがちでした。
また、これは日本全国で言えることかもしれませんが、実証実験ばかりが先行し、社会実装に至るケースが極めて少ないという「実証実験疲れ」が起きていることにも強い課題意識を持っています。
これからの官民連携は、行政だけが課題を抱え込むのではなく、民間企業や団体の皆さまと共に、対等かつフラットな立場で座を組み、そして、最終的に社会実装させるという出口を明確に見据えた覚悟を持って取り組んでまいります。
Kawasaki Future “Co-Lab”に込めた思い
こうした社会実装への強い覚悟を形にしたのが、今回開設した総合窓口「Kawasaki Future Co-Lab」です。この名称の「Co-Lab」は、「Co-Creation」と「Laboratory」を組み合わせた言葉であり、川崎の未来を様々な主体と立場や分野を超えて、共に創っていく共創の起点にしたいという思いを込めています。
また、タグラインとして「この挑戦が、次の挑戦を生む。」を掲げました。一つの挑戦で終わらせず、新たな事業や仕組みとして社会実装し、その成果を市民や社会へ還元する。そのプロセスや成果を可視化することで、新たなチャレンジャーを呼び込みます。多様な人材や文化が集まる川崎だからこそ、一つの挑戦が新しい出会いを生み、それが連鎖していくはずです。この持続的な好循環を積み重ね、「川崎での挑戦が、他都市や世界の都市の問題を解決する」ようなモデルを確立したいと考えています。
「我こそは」というチャレンジャーの皆さまへ
私たちが取り組むべき課題は多岐にわたりますが、窓口開設時点においては、特に以下の4つの領域を「重点共創フィールド」として掲げています。
- 次代の成長を担う人材づくり
- データを活用した健康づくり
- 人と住まいの循環による暮らし続けられるしくみづくり
- 未来の市民の足を守る交通環境の形成
これらはまさに私たちが直面しているリアルな課題です。
我こそはという熱い思いを持ったチャレンジャーの皆さま、川崎市には挑戦できる場があります。実証実験で終わらせるのではなく、必ず社会実装へと繋げる強い決意を持ち、確かな成果を出す。そして、そこから泉のようにまた次のチャレンジが湧き出てくるような、良い循環を共に作っていきましょう。
私たち川崎市もチャレンジャーであり続けます。その思いに共鳴してくださる民間企業や団体の皆さまとともに、川崎から世界へ繋がる取り組みを進めていけることを心から楽しみにしています。


