レポート

2025年01月15日

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開催日:2024/04/01〜 2025/03/31 【富士通株式会社】次の100年に向けた「あたらしい川崎」に、地域に根差したテクノロジー企業として貢献【プラチナ・ゴールド協賛企業のご紹介】

 JR南武線「武蔵中原駅」の眼前に広がるFujitsu Technology Park(旧川崎工場:2024.4に名称変更)。2024年4月に富士通(株)の本社機能が創業の地である川崎市に帰ってきました。南武線の車窓から見える大規模な工事の様子、電車に乗りながら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。再開発検討が進むFujitsu Technology Park、そこに建設されることが新たに発表された「量子棟(仮称)」について、富士通株式会社 富士通研究所 量子研究所 シニアディレクターの近藤正雄さんに話を伺いました。

富士通株式会社 富士通研究所
量子研究所 シニアディレクター
近藤正雄さん

量子コンピュータとは

 量子コンピュータは、量子力学の原理を応用した次世代のコンピュータで、従来のコンピュータよりも高速・大規模な情報処理ができると期待されています。従来のコンピュータはビットを用いて情報を0または1のどちらか一つの状態で処理しますが、量子コンピュータは、0と1の重ね合わせ状態をとることができる量子ビットを用いて計算します。従来のビットが一度に一つの状態しか持てないのとは対照的で、この性質により、多くの計算を並列的に実行できます。さらに「量子もつれ」や「量子干渉」などの量子力学の現象を利用することにより、従来のコンピュータでは膨大な時間を要する計算でも、量子コンピュータで短い時間で解けるようになる可能性があります。

量子コンピュータのモックアップ
内部は非常に精密な構造になっています

 将来的には、医薬品開発、材料科学、金融工学など、様々な分野で革新的な進歩をもたらすことが期待されています。しかし、量子コンピュータはまだ発展途上の技術であり、実用化には多くの課題が残されています。 例えば量子ビットの状態は不安定で、ノイズの影響を受けやすいという問題があります。 また大規模な量子コンピュータを構築するのも非常に困難です。

 現在、様々な企業や研究機関が量子コンピュータの開発に力を入れています。富士通は、理化学研究所と共同で、日本企業として初となる64量子ビットの超伝導量子コンピュータを公開するとともに、量子ハードウェアだけでなく、多くの企業ユーザと新規の量子アプリケーションの開拓にも取り組んでいます。量子コンピュータの真の計算能力を発揮させるためには、更に多くの量子ビットの実装が必要です。

研究開発施設「量子棟(仮称)」のイメージ図

 富士通は2026年度に世界最大級となる1000量子ビット超の超伝導量子コンピュータ稼働をロードマップとして掲げ、研究開発に取り組んでいます。そして、1000量子ビット超の量子コンピュータを設置するための研究開発施設「量子棟(仮称)」をFujitsu Technology Park内に建設中です。世界最大級の量子コンピュータ設置を通じて、富士通は将来のAI社会を支えるコンピューティングパワーを継続的に向上させ、川崎市の日本有数の量子研究地域としての発展に貢献していきます。

これからの100年に向けて

富士通株式会社 総務本部 エリアマネジメント統括部
シニアディレクター 松本幸子さん

 富士通は次の100年に向けてどのような姿を目指しているのでしょうか。川崎市市制100周年記念事業実行委員会の幹事会副幹事長を担うなど、100周年記念事業にご尽力いただいている富士通株式会社 総務本部 エリアマネジメント統括部 シニアディレクターの松本幸子さんにお話を伺いました。

 富士通のパーパスは、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことです。その実現に向けて、世界中の富士通社員が力を合わせ、地球環境問題の解決、デジタル社会の発展、人々のWell-beingの向上というマテリアリティに取り組んでいます。

 昨年の本社移転を機に、Fujitsu Technology Parkは、最先端のテクノロジーとイノベーションの創出拠点として生まれ変わろうとしております。「最幸のまち川崎」の基本施策につながるよう、各種行政機関や、近接する等々力緑地の再編整備実施計画とも連携しながら、地域全体のウェルビーイング向上や最先端テクノロジーの実証実験を目的とした再開発を検討しています。

 一方、富士通は、スポーツの分野でも、富士通フロンティアーズ(アメリカンフットボール)、富士通レッドウェーブ(女子バスケットボール)、富士通陸上部、富士通レッドスピリッツ(男子バレー)、といったチームが川崎市を代表する活躍をし、そのパワーが川崎市民の皆様の楽しみの一つにとどまらず、シビックプライドの醸成につながればとても嬉しいことだと思っています。

 富士通は今年で創業90年、12万4,000人を擁するグローバル企業です。次の100年に向けた「あたらしい川崎」に、地域に根差したテクノロジー企業として貢献していくことは、富士通の使命であると思っています。

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