「しんゆり」の愛称で知られる新百合ヶ丘。「しんゆりフェスティバル・マルシェ」と銘打ったマルシェやパンまつり、イルミネーションやハロウィンイベント、ストリートピアノなど、様々なイベントが年間を通して行われています。このまちに関わるクリエイティブな人やイベント、企業、大学、町内会の取り組みを紹介した季刊誌「しんゆり人」は、小田急線の主要駅やショッピングセンターで手に取ることができます。こうした一つ一つの取り組みが「しんゆりブランド」を作り上げているのです。
地域のまとめ役「新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアム」
しんゆりの魅力発信をし、まちの活性につなげていく役割を果たす組織が2018年に設立された「新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアム」です。掲げるコンセプトは「つどい・つながり・めくるめく~みんなが輝くしんゆりへ~」。そして「緑と農のあふれる街として、都市の里山になれるように」、「芸術と文化を実感する街として、みんなでアートを」、「オープンで多様性のあるまちになるように」、をテーマに、魅力あるまちづくりを目指しています。
住宅地開発は昭和30年代後半から
コンソーシアムには現在約90社・団体が加盟。幹事は新百合丘農住都市開発、日本映画大学、昭和音楽大学、三井不動産、小田急電鉄の5社で、このうち事務局として、様々な地域団体をつなげる役割を担うのが三井不動産と小田急電鉄です。
百合ヶ丘地区と三井不動産の関わりは半世紀以上にわたり、1964(昭和39)年頃から百合ヶ丘地区の開発に着手し、81(昭和56)年までに合計2711戸の住宅を供給。その後、新百合ヶ丘駅の南側に位置する山口台土地区画整理事業、新百合ヶ丘駅北側の万福寺土地区画整理事業にも携わりながらまちづくりを進めてきました。こうした経緯を踏まえ、地元の有力者から「三井不動産と小田急電鉄の2社でさまざまな地域活動を一緒にまとめていただけないかとの声掛けを受け、事務局活動を行うことになりました」と、三井不動産麻生開発事務所副所長の内藤達久さんは説明します。
横浜市営地下鉄ブルーラインが延伸し、さらに大きなまちへと発展する期待が高まる新百合ヶ丘。来たるときに合わせて、地域活動の掘り起こしや充実させていくことがコンソーシアムの役割だとも内藤さんは強調します。コンソーシアムが関わるイベントの中でも、しんゆりフェスティバル・マルシェは舞台が設営され、ワークショップなども開催されることから「出店する団体や地域の人が関わる、コンソーシアムの理念を体現したイベント」と同事務所の池内明子さんは話します。
ゴジライベントで麻生区から川崎を盛り上げる
24年は川崎市市制100周年であることから、通常イベントの拡張や新規イベントで盛り上げています。100周年イベントとして「麻生区の『推し!』絵画展」を実施しました。10月12日にはあさお区民まつりの前夜祭として「あさお誕生ものがたり~語り継ぎたい60年のあゆみ~」と題した特別上映会と「麻生区の『推し!』市制100周年絵画展表彰式」をトゥエンティワンホールで開催し、想定人数を上回るほど盛況となりました。25年2月1日(土)、2日(日)には「あさおの川崎100周年祭」と銘打ち、川崎市でロケが行われた『シン・ゴジラ』や、王禅寺に長年住んでいた日本を代表する特技監督・川北紘一監督にちなみ、ゴジラをテーマに市制 100周年をコンサートや上映会を開催。コンサートはプロの音楽家と区内で活動する市民音楽団体が一堂に会して、市制 100 周年を祝福します。
池内さんは「市制100周年がきっかけで、イベント企画を練る段階で様々な団体から声掛けがあり、コラボイベントも増えました。 コンソーシアムの機能が発揮された年にもなりました」と手ごたえを感じた様子でした。