2024年、川崎市は市制100周年を迎えます。
2023年11月5日(日)、市制100周年を契機としたチャレンジとして、「GO FOR 100th」のコンセプトのもと、市役所通りの車道を活用し、ウォーカブルなまちを体験いただくイベント「みんなの川崎祭」を、初めて開催しました。
「FOOD」「ART」「MUSIC」「SPORTS」をテーマに、多様なカルチャーを持つ川崎の魅力が存分に感じられるイベントとなりましたので、ほんの一部ですが、その様子を紹介します。
みんなの川崎祭(前編)はこちらよりご覧いただけますので、どちらもお楽しみください。
ブレイキン「THE FLOORRIOZ」
お昼過ぎの12時15分からは、センターステージで川崎市を中心に活動するブレイクダンスチーム「THE FLOORRIOZ」がパフォーマンスを披露しました。
THE FLOORRIOZは、2015年に、最も古い歴史を持つ世界最大級のブレイクダンスの祭典「BATTLE OF THE YEAR」で日本人初の優勝を果たし、さらに2016年と2017年も優勝を果たし、前人未到の大会3連覇を成し遂げ、日本の歴史を大きく変えた唯一無二のブレイクダンスチームです。
この日はブレイキンを初めて見る方のために基本の「トップロック」「フットワーク」「パワームーブ」「フリーズ」の4項目を紹介してくれました。
トップロックは立って踊るスタイル。
フットワークは床に手をついて足を大きく動かすスタイル。
パワームーブは遠心力を使った技であり、お手本を見せてくれたのはなんと12歳のダンサー。周りからは思わず驚きの声があがりました。
フリーズはピタッと止まるような動きであり、ユースオリンピック金メダリストのRamさんが見せてくれました。
これら4つの動きを紹介してくれた後、たまたま見に来ていた小学6年生のTHE FLOORRIOZの生徒さんが、すべてを組み合わせた動きを披露してくれました。サプライズゲストの登場に歓声が沸き起こります。
最後はTHE FLOORRIOZのメンバー全員で圧巻のパフォーマンスを披露し、センターステージは大盛り上がりでした。
松岡智子さんのアートライブパフォーマンス with 福田市長
THE FLOORRIOZのパフォーマンスに興奮が冷め止まぬなか、引き続きセンターステージでは松岡智子さんのアートライブパフォーマンスを行いました。
松岡さんは「意志の具象化」をテーマに制作活動を続けるアーティスト。パリやロサンゼルスでもライブペイントを実施した経験を持っています。パリではエッフェル塔前やセーヌ川でのライブペイントを実施し、100名以上の観客を集めました。
真っ白な敷物の上に立つのは着物姿の松岡さん、そして黒のジャケットを着た福田市長。
なんと松岡さんは福田市長が着ているジャケットにペイントを施し始めました。
少しずつ描かれていくアートに、見ている人はだんだんと引き込まれていきます。時折、松岡さんと福田市長が会話をしている様子も見られながら、アートが完成していきます。
福田市長が歩道側を向いている際には、市民の方と会話する光景も見られます。
アートが完成すると、その美しさにみなさん拍手を送りました。
完成後は、かわさきFM代表取締役の大西絵満さんを交えてのトークセッションを開催。
ーまずはライブペイントを終えての感想をお聞かせください。(大西さん)
福田市長 自分がキャンパスになる体験は初めてで、かつ大勢の方の前で描かれて変な汗をかいてしまいました。大変貴重な経験をさせていただきました。
松岡智子さん まずは御覧いただきまして、ありがとうございました。実は描いている途中に市長と会話させていただいたんです。
福田市長 そうですよね。「今思いついた言葉を言ってください」と聞かれて、思わず「いろいろ」と返しました。
松岡さん 新庁舎を眺めながら、市長もいて、目の前には市民の皆様がいらっしゃるのは、まさに次の100年のミニチュアを体験していただけた空間だと思います。
ー松岡さんが真剣な眼差しで何かを考えられているような、そして大きく息をついて筆を持っていたのが印象的でした。何を考えていたのですか。
松岡さん 私が一番考えていたのは「川崎市に住んでいる皆様の素敵なところをどうやったら表現できるのか」ということです。新しい庁舎と皆様の気持ちを考えていました。
ー市長も市民の方から声をかけられたり、新庁舎を眺めているのが印象的でした。どんなことを想われていたのですか。
福田市長 道路でアートをするという、普通ではないことに不思議さと違和感を感じていました。この自由な空間をもっと市民の皆様に使って欲しいなと考えていました。
ー今日の松岡さんの衣装は振袖ですね!
松岡さん はい、新庁舎オープンのお祝いの意味をこめて着てきました!
ー市長にとって川崎市とはどのようなまちでしょうか。
福田市長 「元祖・多様性のまち」です。いろんな人たちが住んで、離れていって、また戻ってきてを繰り返す入れ替わりの激しいまちです。だからこそ受容性もあり、違うことを豊かさと感じてくれる市民の皆様が多いですね。
「川崎の縁って絶対に切れないですね」とよく言われます。来た人はウェルカム、去っていく人もこれからもよろしくねという雰囲気ができているのは川崎の良さです。受け入れ力満載のまち川崎です。
ー今回は「意志の具象化」がテーマでした。
松岡さん 多様性ということで、いろんな方が渦を巻いている様子を描きました。色は川崎をイメージして3色と少なくし、前から後ろからいろんなものが去っていく、そして入ってくる作品にしました。
ー福田市長とは事前にお話もされたそうですね。
松岡さん いかに自由と自立のバランスを持って、美しいまちを創っていくのかという話が興味深かったです。
福田市長 これからも川崎は多様性を大事にしていきます。多様性があったからこそ、ここまで発展してきましたし、これからも大切にしなくてはいけないものです。ただ、何でも混ぜてしまえばいいわけではありません。それぞれが際立つように混ざるのが大事です。一人ひとりが輝く多様性が大事だと思っています。
ー最後に、メッセージをお聞かせください。
福田市長 このストリートは本当に自由です。プロレスもやっていれば、歌も歌っていて、食事をしている人もいます。発想自体がものすごく自由です。もっともっと自由ができるように、ただしルールがあって自立していることが大事で、お互いに認め合っているようなまちでありたいと思っています。それが象徴的に現れているお祭りです。
松岡さん 前の100周年は全然違った世界でした。会場の皆様が帰る途中に何かひとつ人を嬉しくさせたり、一緒に楽しめたりすることを探しながら帰っていただきたいなと思います。そこから次の100年が始まると思います。本日はありがとうございました!
川崎キッズチアリーディングクラブ
川崎キッズチアリーディングクラブは2003年2月に創部し、川崎市幸区と中原区を中心に活動しているチアリーディングクラブです。
コミュニティステージの前で行うパフォーマンスを見ようと、多くの方が列を作りました。
開始前には少し時間があったため、コーチより急遽インタビュータイムが設けられました。まずは今年の3月に行われたUSA Nationals 2023において、BLUEチームとPINKチームがダブル優勝したという報告に観客からは拍手が沸き起こります。
今後の目標は来年にフロリダで行われる世界大会でも結果を残すこととあり、みんなの期待が高まりました。
実際にパフォーマンスが始まると、迫力満点の技に観ていた方たちからは驚きと拍手が止まりません。
川崎の100周年を記念したフォーメーションも見せてくれ、パフォーマンス終了後は盛大な拍手が起こりました。
「チアの良さを知ってもらいたい」という川崎キッズチアリーディングクラブの想いが伝わった時間でした。
オキジュンコさんのダイバーシティアート
新庁舎前では、オキジュンコさんによるダイバーシティアートを行いました。
一般の方との共同作業で作り上げる作品で、希望された方はポンポンスタンプを用いてアートの背景を描いていきます。
市役所通りのセンターステージ最後としてアートの完成式と、藤倉茂起副市長によるスピーチを行いました。
「本日のみんなの川崎祭はいかがでしたでしょうか。来年には、富士見公園・等々力緑地・生田緑地で全国都市緑化かわさきフェアも行われます。ちょうど来年の今頃に開催します。そのときには川崎市を緑と花でいっぱいにしたいと考えています。ぜひ、その時も川崎に来ていただけると嬉しいです。
これからも川崎に来て楽しんでいただけるようなイベントを開催していきますので、よろしくお願いいたします」
オキジュンコさんの想い
ー普段はどのような活動をしているのですか。
飲食店の壁画を中心に絵を描いています。自分の絵を展示して販売することもありますね。
ー参加しようと思ったきっかけは何ですか。
私が川崎市に15年くらい住んでいて、ありがたいことに福田市長がお声かけくださいました。
川崎市をアートで表現するということで、市が掲げている「Colors, Future!」や「多様性」と、私のブランドメッセージである「多様性」や「変わっていくこと」がぴったりと重なって、ぜひ参加したいと思ったんです!
ー今回はどのような作品を描かれたのですか。
川崎市のお祭りなので、猫を7区のカラーで表現することを決めました。実は今回の7匹の猫は、どの色がどの区というのを決めていないんです。アートは自由なので、自分の好きな猫を探して、見てくれた人に自由に考えて欲しいんです。
今回は一人で描いても面白くないので、参加型にしました。皆さんにポンポンスタンプでベースを作ってもらい、そこに私が描いていくという共同作業がしたかったんです。実際にやってみて私自身もとても楽しめました。
少しでもアートに触れる機会が増やせたらと思っていたので、とてもいい機会でしたね!
ー川崎市の市制100周年に向けてどのように貢献したいですか。
何かの縁で川崎市に住んでいて、かつ川崎市はアートに寛容なので地元のアーティストも含めて盛り上げていきたいです。この数年で市のイベントに呼んでいただき、いつも川崎に住んでいてよかったなと感じるので、川崎市を盛り上げるためにできることならどんどん参加していきます。
誰でもアートに触れられるまちになるといいですね!
JR川崎駅北口通路で
みんなの川崎祭の広報もかねて、JR川崎駅北口通路では、実行委員会に参画いただいている8つのスポーツチームにご協力いただき、ユニフォーム展示を実施しました。
川崎のチームのユニフォームは赤が多いようですね。有名選手のものや、歴代ユニフォームの変遷が分かるものもありました。
一部については、「Colors Future! Summit 2023」デジタルスタンプラリーの景品としても御協力いただきました。
※協力チーム:NECレッドロケッツ・川崎フロンターレ・川崎ブレイブサンダース・東芝ブレイブアレウス・富士通フロンティアーズ・富士通レッドウェーブ・東芝ブレイブルーパス・木下アビエル(順不同・敬称略)
参加者の声
みんなの川崎祭は、多くの方に御参加いただきました。この日の感想や川崎に対する想いを聞きましたので紹介します!
宮川さん親子
ー今日のイベントは楽しんでいますか。
実は来たら子どもがアーバンフォレストに落ち着いてしまって、これからいろいろ回ろうと思っています。
※アーバンフォレストは市役所通りに設置された芝生の上に、イスや積み木が置かれているエリア。
ー普段は川崎に住んでいるのですか。
はい、もう15年くらい住んでいます。
ーこの15年で川崎は変わったところはありますか。
とても綺麗になりました!
まちのゴミも減りましたし、自転車専用レーンができたことで子どもがいても安心して通行できるようになったのは嬉しいです。道路も広くなって渋滞も減ったなと感じています。
ー川崎の好きなところを教えてください。
住みやすいまちであることです!
医療費助成制度もどんどん充実していますし、子育てもしやすい環境だと感じています。
菅井さん親子
ーみんなの川崎祭に来ようと思ったきっかけは何ですか。
いろんなところでお祭りのチラシを見て気になっていました。私は音楽が好きなので、稲毛公園でジャズのステージがあると知って「これは行かなきゃ!」と思って来ました。
ー普段は川崎に住んでいるのですか。
生まれてからずっと川崎に住んでいます!
少しだけ他の地域に住んだこともあるのですが、川崎が住みやすいので思わず戻ってきました。川崎は交通の便がいいですし、ショッピングや映画など何でも揃っているので、もう他のまちには住めないですね。
ー川崎の変わったなと感じるところはありますか。
整備が進んで住みやすくなってきたと感じています。以前は子どもを連れて歩くのが怖いなと感じる場所もあったのですが、今は綺麗になって安心して過ごせるまちになりました。
自転車置き場が整備されたのは、生活していてとても嬉しいポイントです。
ー今後、川崎がどのようなまちになってほしいですか。
少し前は労働者のまちだと感じていたんです。ですが最近はマンション群も増えて、川崎以外から来る人たちも増えているのかなと思います。そうなると川崎にいる人の層が変わっていくと思うので、いい方向に川崎が向かってくれると嬉しいです!
2024年、川崎市は市制100周年を迎えます
記念すべき第1回となる、みんなの川崎祭は多くの方にお越しいただき、大盛況で1日を終えました。市役所通りを1日片側通行止めにするのに大きなトラブルとならなかったのは、川崎市の受容性の現れとも言えるでしょう。
川崎市では、来年の市制100周年に向けて各地域でイベントを開催しています。川崎市市制100周年記念事業公式WEBサイトのイベントカレンダーでは、今後のイベント日程もご覧いただけますので、ぜひ皆さまの御参加をお待ちしております。
もっと川崎を知って、関わって、好きになれるように、みなさん一体となって盛り上げていきましょう!
こちらではみんなの川崎祭(前編)も紹介していますので、ぜひご覧ください。